メニュー

大阪市が条例改正案 33㎡未満は玄関帳場不要に - 旅館業許可は民泊ビジネスサポートセンターへ

〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満3-5-10 オフィスポート大阪508号室〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満3-5-10 オフィスポート大阪508号室

tel:06-4309-8128

お問い合わせはこちら

民泊ビジネス最前線

大阪市が条例改正案 33㎡未満は玄関帳場不要に

公開日:2016年09月16日(金)

大阪市は、9月・10月市議会に提出する旅館業法施行条例改正案を決めた。

 それによると、客室延べ面積が33㎡未満の簡易宿所については、玄関帳場を設置しない場合も旅館業法の営業許可を認める方針だ。

 ただし玄関帳場を設置しない場合は、旅館業法に基づく構造基準5項目、旅館業法に基づかない措置基準6項目、合計11項目の要件を満たす必要がある。旅館業法に基づかない措置基準6項目は、経済特区において認定される民泊とほぼ同じ基準となる。

 33㎡以上の場合は引き続き玄関帳場の設置が義務付けられる。

玄関帳場設置か未設置か事業者が選択

 33㎡未満の簡易宿所の場合、民泊事業者にとっては、①玄関帳場の設置、②玄関帳場を設けず、11項目の要件を満たすという二つの選択肢ができることになる。運用する物件に応じて、玄関帳場を設置するかどうかの見極めが必要となる。11項目の要件の中にはハードルの高い項目もあるので、比較的容易に玄関帳場の設置が可能な場合は設置し、できない場合には11項目の要件を満たすという二段構えの「作戦」が合理的だろう。

 ただしこの改正を踏まえて玄関帳場の設置基準もより厳しくなるなる可能性もあるので注意が必要だろう。11項目の要件との均衡を考えると、「従業員が常駐し、顧客の入退出をチェックする」という玄関帳場本来の機能が求められるかも知れない。仮にそうなると一戸建ての物件で「1階はオーナーの住居スペース、2階以上が簡易宿所(ゲストハウス)」という運用様式の場合は玄関帳場を設けた方が合理的だが、「マンション1室」というような場合は、玄関帳場の設置ではなく11項目の要件を満たすしか方法がなくなるだろう。

旅館業法に基づく構造基準

  1. ①管理事務所の設置

宿泊者と面談し、緊急時に対応するために近接した場所に設置することが必要となる。

  1. ②ビデオカメラの設置

宿泊者の出入りを確認するためのものを設置することが必要となる。

  1. ③出入り口、窓の施錠
  2. ④電話機その他の機器

宿泊者と迅速に連絡を取るために設置が必要となる。

  1. ⑤苦情窓口連絡先、旅館業施設であることの表示義務

トラブル発生時に近隣住民がすぐに連絡が取れ、宿泊者が容易に施設を探せるようにするための措置。

旅館業法に基づかない措置基準

  1. ①事前説明会の開催
  2. ②宿泊客への注意事項の説明及び文書の備え付け
  3. ③宿泊客には迷惑行為の中止を求めること
  4. ④苦情窓口の設置
  5. ⑤マニュアルの作成
  6. ⑥簡易宿所であることの表示

特区民泊か簡易宿所か 取得・運営の難易度と顧客獲得がポイント

大阪市では、すでに可決されている特区民泊条例を10月から施行する方針だ。いよいよ大阪市内でも特区民泊の認定が可能となる。現状では宿泊日数の最低基準が6泊7日以上なので、施行されても認定を取得する事業者は少数だろう。しかし政府は最低基準を2泊3日以上に緩和する方針だ。それに合わせて大阪市の特区民泊条例が改正されると、認定を取得する事業者は急増するだろう。そうなると、民泊事業者としては、改正された簡易宿所での旅館業法に基づく営業許可を取得するのか、特区民泊の認定を取得するのかの選択となる。

選択の基準は、取得・運営の難易度と顧客獲得がポイントとなるのではないか?

私の考えでは、取得・運営の難易度では、玄関帳場を設置して簡易宿所の許可を取得する方法が、一番初期費用が抑えられ、運営上の手間暇や経費も少なくてすむ。ただしそれは現行の玄関帳場の設置基準を前提のことで、ここがより厳しくなると違ってくる。ただし、面積が100㎡以上の場合は建築基準法上の「用途変更」の不要な特区民泊が断然有利だ。

顧客獲得の面、営業面では簡易宿所に軍配が上がるだろう。

第一に、宿泊日数に制限がない。特区民泊は緩和されても2泊以上だ。

第二に、「簡易宿所」と「外国人等滞在施設」では、外国人の旅行客にとっては同じでも、日本人顧客の獲得も視野に入れると印象はかなり違ったものかも知れない。許可・認定を受けると、「じゃらん」や「楽天トラベル」等大手旅行サイトへの登録も可能になる。その場合、同じ条件なら「簡易宿所(ゲストハウス)を選ぶ顧客がやはり多いのではないだろうか?

第三に、宿泊客にとってはその施設の安全性が一番気がかりだ。消防法上はどちらも「ホテル・旅館」の位置付けとなる。しかし建築基準法上は、簡易宿所は「ホテル・旅館」だが、特区民泊は「住宅」のままだ。基準は当然、住宅よりホテル・旅館が厳しい。厳しいといいうことはより安全ということだ。また100㎡を超える大規模な建物が「違法建築物」のまま事実上ホテル・旅館に転用されてしまう可能性もある。建築基準法上の「用途変更」の届出が不要だからチェックされる機会がないのだ。

こうして考えると、100㎡以上の物件は「特区民泊」、100㎡未満の物件は「簡易宿所」の許可取得を基本に考えることが一番合理的かも知れない。

新しいサポートビジネスの必要性

「特区民泊」でも「簡易宿所」でも、管理事務所の設置や苦情窓口の運営、事前説明会の開催など、単独の事業者では実践困難なものが多い。今後は民泊事業者からこれらを一括して請け負う新しいサポートビジネスも必要となって来るだろう。